「キャリア」の方が、
免疫をおさえる薬を使う際の問題点

キャリアと診断されても、すべての方がB型肝炎を発症するわけではありません。日本にはB型肝炎ウイルスのキャリアの方が100~150万人いると推定されています。そのうち80~90%の方は、肝臓の病気や肝機能の異常もない「無症候性(むしょうこうせい)キャリア」とよばれる状態をへて、「非活動性(ひかつどうせい)キャリア」とよばれる状態になります。このような状態にある方には、B型肝炎に対する治療はおこなわれません。
しかし、この非活動性(ひかつどうせい)キャリアの方がからだの免疫機能をおさえる薬を使うと、肝炎を発症する場合があります。免疫機能をおさえる薬とは「副腎皮質ホルモン製剤」「免疫抑制剤」「抗がん剤(がんなどの悪性腫瘍の治療に使われる薬)」です。これらの薬により免疫のバランスがくずれ、からだの中のウイルスが急激に増えることを「B型肝炎ウイルスの再活性化」とよび、ときに重症肝炎を発症して致命的になることがあります。
重症肝炎を発症しないようにするためには、「副腎皮質ホルモン製剤」「免疫抑制剤」「抗がん剤」などによる治療をはじめる前に、B型肝炎ウイルスの感染状態を検査する必要があります。検査の結果や治療の強さにあわせて、適切な処置をおこなうことが、B型肝炎の治療ガイドラインにより推奨されています。B型肝炎ウイルスの再活性化を防ぐために、ウイルスの増殖をおさえる薬を飲むこともありますので、先生の指示に従いましょう。

  • 適切な検査と処置(抗ウイルス薬の予防投与)で、ウイルスの再活性化を予防します